月村了衛の月録

小説家 月村了衛の公式ブログ        連絡先 fidenco@hotmail.co.jp 

ジャーロ

現在、光文社のweb文芸誌「ジャーロ」にて『対決』を連載中なので、関係者用の紙版を頂いています。(こういう例はweb誌では珍しい)

 

なにしろ誌名が「ジャーロ」なので(どういう意味かは各自お調べ下さい)、

「よし、儂も一発イタリアンなキツイところを一発」と思わぬでもなかったのですが、

そこはソレというわけで、『対決』と申しましても、髭面のガンマンがスペインの荒野で撃ち合うわけでもなく、黒手袋の殺人鬼がローマを跳梁するわけでもなく、極めて真っ当な社会小説になりました。

(しかしいつかは同誌にて本格的且つ極めつけの〈ジャッロ〉に取り組んでみたいとも思っています)

 

さて、この「ジャーロ」誌、連載小説は申すまでもありませんが、

評論&コラム、企画ページが質量ともに圧倒的に充実していて、そのことを声を大にしてお伝えしたかったのであります。

特に現在発売中の90号は、「〈本格推理〉三十年目の真実」と題して、若林踏さんが当時の編集者や二階堂黎人さんに取材しているばかりでなく、作品リストまで付いていて、永久保存決定の一冊です。

他の評論連載も、錚々たるメンバーの素晴らしい企画が並んでいて、どのページから読み始めようかと迷ってしまうほど。

試しに目次だけでも見て下さい。「梶龍雄の学年誌付録」なんて、森英俊さんならではの仕事です。

この上は、光文社ミステリー文学館の一日も早い復活を願うばかりであります。