六月八日付のYahoo!ニュースでまたもこんな記事が上がっておりました。
作品に関する取材ではよく「知っていたのか」とか「予見していたのか」と訊かれますが、
残念ながら私はそこまで聡明ではなく、偶然であります。
しかし私は作品の着手に当たり、取材を進め資料を丹念に読み、自分で確信が持てるようになって初めて筆を執ります。
刊行後にこうしたニュースに接すると、そのつど、自分の目は間違っていなかったとほっとするような、そして虚構を越える現実の恐ろしさに慄然とするような感慨を覚えます。
また「軍事研究」七月号に『香港警察東京分室』の書評が掲載されました。
〈中国が各国に警察拠点を設けている問題が日本でも報じられるようになったが、その先のリアルを見据えた警察小説。畳み掛けるアクションと心理戦、やがて薄皮を剥くように国の有り様が浮かんでくる過程が鳥肌もの〉
とは、まさに「我が意を得たり」の感があり、短い中でよく表現して下さったと、感謝というより感嘆しております。