月村了衛の月録

小説家 月村了衛の公式ブログ        連絡先 fidenco@hotmail.co.jp 

『機龍警察 漆黒社会』

             地獄

             地獄

             地獄

             地獄

             地獄

             地獄

             地獄

             地獄

             地獄

             地獄

          そして――絶望

 

 

        『機龍警察 漆黒社会

 

 

      ミステリマガジン11月号(9月25日発売)より連載開始

 

       じごくとは このよのことを いふならむ

 

 

 

ウェイクフィールド「ゴースト・ハント」復刊

半年ほど前、「東京創元社創立70周年記念フェアのために愛読する創元文庫を推薦して欲しい」と東京創元社から依頼を受け、何冊か候補を挙げたのですが、

復刊可能なのが『ゴースト・ハント』だけということで、同書の復刊が決まりました。

絶版になっていたことも知らなかったので大層驚きましたが、似たようなことはこれまでにも何回かあり、何が言いたいかというと、「本はとにかく買っておけ」「次はないと思え」「買わずに後悔するより買って後悔した方が百倍マシ」ということです。

とにかく、そういう経緯がありましたので「ゴースト・ハント」復刊はこれすべて私の(以下エンエンと自慢)。

 

執筆中

中央公論」連載『地上の楽園』第六回執筆中。

第一部完結です。

次の第七回から第二部がスタートします。

これまで以上に重量級の連載ですので、

執筆には気が遠くなるようなエネルギーを必要とします。

 

並行して新連載の打ち合わせをいくつか。

詳細は追ってご報告致します。

 

ミステリカーニバル

星海社主催ミステリカーニバルの大サイン会に参加することとなりました。

詳細は星海社の公式サイトやSNS(ソルジャー・ネットワークの略ではない)をご覧下さい。

六月三十日(日)の最後のターンです。

ご一緒する深水黎一郎さん、北山猛邦さん、当日はどうぞよろしくお願いします。

近況

□いよいよ『対決』発売日(4月24日)が迫って参りました。

皆様どうかよろしくお願い申し上げます。

 

□「中央公論」連載、『地上の楽園』第四回鋭意執筆中。

題材が題材だけに予想した以上の大作になりそうです。

 

□他にも並行して執筆中の作品がありつつ、来年度、再来年度の打ち合わせが連休の前後に集中しております(連休中にも一件あり)。よりよい作品執筆のため一層の精進を致す所存です。

 

□『地上の楽園』執筆のための膨大な資料を読みつつ、別に時間を取って日本推理作家協会賞候補作を精読中。

今年も素晴らしい作品が揃っており、選考会(五月十三日)が楽しみです。

 

□過去のブログに書きました通り、「機龍警察」次作のタイトルと内容は『白骨街道』執筆時から決定しており、変更等は一切ありません。

 

□近年は多忙のため映画館に行けない状態が続いており、せいぜい年に一本程度なのですが、『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』はなんとしても行きたいところ(まず無理でしょう)。

劇場に行けない映画は主にBDで購入しておりますが、これも積み上がる一方です。

それにしてもクライテリオンは小津・溝口・成瀬・黒澤くらいは一刻も早く全作4K UHDで出して下さい。できれば山本薩夫もお願いします。贅沢は言いません。

 

『対決』

光文社より四月二十四日刊行予定。

この作品では、取材の過程で相当にヤバい資料を入手しました。

どんな資料なのか、どこから入手したのか、絶対に明かすことはできません。

 

どうかお楽しみに……と言えるような気楽なカンジでもテーマでもないのですが、

読者には手に汗握って頂きたいと考えています。

答え合わせの是非

読者は作品を好きなように愉しめばいい。私は基本的にそう考えている。

だから、作者の立場としてあえて言わないことも多々あったりする。

しかしごく稀ながら、あまりに鋭い指摘をしてくれる人もいて、思わず膝を叩いたりするのである。

 

『機龍警察』シリーズなどで協力を仰いでいる元キャリアの坂本勝さんが、拙作『半暮刻』についてブログ「新宿あたりから世界を語ってみる 2023/11/02」で触れて下さっている。

それを読んだとき、同作の核心を見事に言語化していて、正直に言って感嘆した。

特に舌を巻いたのは次の一節である。

 

読者は、作中の翔太に深く同情しつつも、翔太の人生を歩みたいとは思わないはずだ。同じ生きるなら、むしろ社会的に成功を目指す海斗になりたいのではないか。僕らが海斗にならないのは、「人間性」豊かだからではなく、知恵と才覚と機会が足りないだけなのではないか。」

 

そうなのだ。

海斗とは、私であり、あなたなのだ。