月村了衛の月録

小説家 月村了衛の公式ブログ        連絡先 fidenco@hotmail.co.jp 

インタビュー

七月四日発売 月刊「潮」8月号に『暗鬼夜行』インタビュー掲載。

 

七月十五日発売 「新刊ニュース」8月号に『奈落で踊れ』巻頭インタビュー掲載。

「新刊ニュース」は全国書店で発売されますが、お店にない場合は下記のいずれかで注文可能です。
 ①書店にお問い合わせいただきお取り寄せ
 ②直接当編集部へお問合せ

   TEL:03-3266-9521(トーハン・新刊ニュース担当)
 ③公式ツイッターのDMでお問合せ  https://twitter.com/shinkannews

 

『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』はまったく違うテイストなれど

ともにご好評を頂いているようなので

未読の方はこの機会にどうぞお手にとってみて下さい。

 

『機龍警察 白骨街道』第四回

     内閣官房副長官 夷隅董一

     国家安全保障局長 鏑木麟太郞

     外務省専門調査員 愛染拓也

     国際指名手配犯 君島洋右

     収容所長 イェミントゥン

     ミャンマー警察部隊指揮官 ソージンテット

     ミャンマー警察部隊副官 ウィンタウン

     警視庁特捜部庶務担当職員 和喜屋亜衣

     城州ホールディングス 城邑昭夫
     そして――城邑毬絵

 

      『機龍警察 白骨街道』

 

      一度踏み込んだらもう逃れられない

      城木と姿が深みに嵌まる

      ミステリマガジン九月号 七月二二日発売

  

作家と現実

数年前の私は、インタビューなどでよく「現実に肩を叩かれる」というフレーズを使いました。

それは、本を書き上げ刊行した直後に、その内容を現実化したような事態が頻繁に起こっていたからです。

(『未亡旅団』直後の「黒い未亡人」然り、『狼眼殺手』直後の量子コンピューター然り、読者の皆様には改めて例を挙げるまでもないでしょう)

しかし、かなり以前から私はそんなフレーズを使っていません。

なぜなら、現実はとっくに私を追い越しているからです。

我々の日常がこのようなものに変容しようとは一体誰が予想し得たでしょうか。

(それは、新型コロナウィルスだけのことではありません。国際情勢と政治全般、テクノロジーの進化、そういったものすべてを含みます)

こういうとき、作家は前を見ます。

ひたすらに前を見て書き続けます。

また己自身をも常に見つめていなければ、良い作品など書けるはずもありません。

 

考えてみれば、私が常に追い求めてきたのは「文学と現実、そして人間との関係」でありました。その意味では、私の姿勢は最初から一貫しています。

〈アクション〉も〈愛憎〉も、人と人との間の関係性であることに違いはないのです。

(そのことを表現するには様々な技巧が必要となりますが、その話はここでは措きます)

私はこれまで通り書き続けます。

読者に寄り添うことと、読者に迎合することは本質的に異なります。

私の読者は、そのことを理解してくれているものと信じます。

 

(一つだけ、読者もご存じないであろう事実を記しておくと、機龍警察シリーズ最新作『白骨街道』のタイトルと内容は、『狼眼殺手』刊行直後には決まっていました。上記の内容と矛盾するようですが、昨今の世相を評して〈白骨街道〉というフレーズが連呼されるようになろうとは想像もしておりませんでした。

また、実はその次のタイトルもすでに決まっています。

昔、007の映画を観に行くと、エンドクレジットで「次回は『死ぬのは奴らだ』でお会いしましょう」といった字幕が流れてきて、観客は期待に胸を躍らせたものでした。

そのひそみにならって……と言いたいところですが、

それは当時の映画事情も関係していて、二年くらいで必ず最新作がリリースされるという状況が大前提としてあってのことなのです。

今の時代、作家が次に新作を発表できる保証はどこにもないのです)

山小屋エイド基金

時節柄、山と登山を巡る状況を心配しておりましたところ、

山と渓谷社が山小屋を援助するクラウドファンディング

『山小屋エイド基金』を立ち上げることになりました。

https://motion-gallery.net/projects/yamagoya-aid

山を愛する者の一人として

私も心から賛同を表明致します。

思いを同じくされる方は

是非ご協力のほどお願い申し上げます。

『暗鬼夜行』発売中

外出もままならない昨今、読者の皆様におかれましては大変な時期とお察し申し上げます。

私はと申しますと、ひたすら自宅で執筆を続けております。

作家は作品を書き、それを買ってもらって生活しているからです。

(作家が作品を書くには様々な理由や衝動があるのですが、ここで詳述している余裕はありません)

ですから、本が売れないと作家は生活できません。

生活できないと、次の作品は書けません。

現在、新作『暗鬼夜行』が発売中です。

正直に申しまして、一人でも多くの人に読んで頂きたい作品です。

私はこれまでずっと大人の読者に対して作品を書いて参りました。私のすべての作品は〈大人向け〉です。

(そのことは向上を目指す年少の読者を拒むものではありません。世界の実像を覗かんと欲する若者はどうぞトライしてみて下さい)

私は今後も「本来の読者」に向けて作品を書いていきたいと思っておりますし、『暗鬼夜行』はそうした読者の胸をこそ打つ作品であると自負しています。

こんな時代であるからこそ、世界と人間を見つめ直していきたいと、私は決意を新たにしております。

皆様も是非、この外出自粛期間を利用して『暗鬼夜行』をひもといてみて下さい。

お近くの書店が閉まっております場合、ネット販売等で『暗鬼夜行』をお求め頂きますようお願いします。

そして私に、小説を書き続ける力を下さい。

 

なお、アマゾンで品切れになっている私の他作品も、数多くある他の通販サイトでは容易に入手できますので、それらも是非ご利用なさってみて下さい。

ご参考までに

http://mainichibooks.com/information/mainichi/2020/04/22/post-172.html

くれぐれもマーケットプレイスやメルカリ、オークションサイト、ブックオフなどで購入しないで下さい。私には一円も入らないので、今後作家を続けていくことが難しくなるばかりです。

現代は作家にとって、それほどまでに厳しく生きづらい時代なのです。