地獄
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そして――絶望
『機龍警察 漆黒社会』
ミステリマガジン11月号(9月25日発売)より連載開始
じごくとは このよのことを いふならむ
□いよいよ『対決』発売日(4月24日)が迫って参りました。
皆様どうかよろしくお願い申し上げます。
□「中央公論」連載、『地上の楽園』第四回鋭意執筆中。
題材が題材だけに予想した以上の大作になりそうです。
□他にも並行して執筆中の作品がありつつ、来年度、再来年度の打ち合わせが連休の前後に集中しております(連休中にも一件あり)。よりよい作品執筆のため一層の精進を致す所存です。
□『地上の楽園』執筆のための膨大な資料を読みつつ、別に時間を取って日本推理作家協会賞候補作を精読中。
今年も素晴らしい作品が揃っており、選考会(五月十三日)が楽しみです。
□過去のブログに書きました通り、「機龍警察」次作のタイトルと内容は『白骨街道』執筆時から決定しており、変更等は一切ありません。
□近年は多忙のため映画館に行けない状態が続いており、せいぜい年に一本程度なのですが、『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』はなんとしても行きたいところ(まず無理でしょう)。
劇場に行けない映画は主にBDで購入しておりますが、これも積み上がる一方です。
それにしてもクライテリオンは小津・溝口・成瀬・黒澤くらいは一刻も早く全作4K UHDで出して下さい。できれば山本薩夫もお願いします。贅沢は言いません。
光文社より四月二十四日刊行予定。
この作品では、取材の過程で相当にヤバい資料を入手しました。
どんな資料なのか、どこから入手したのか、絶対に明かすことはできません。
どうかお楽しみに……と言えるような気楽なカンジでもテーマでもないのですが、
読者には手に汗握って頂きたいと考えています。
読者は作品を好きなように愉しめばいい。私は基本的にそう考えている。
だから、作者の立場としてあえて言わないことも多々あったりする。
しかしごく稀ながら、あまりに鋭い指摘をしてくれる人もいて、思わず膝を叩いたりするのである。
『機龍警察』シリーズなどで協力を仰いでいる元キャリアの坂本勝さんが、拙作『半暮刻』についてブログ「新宿あたりから世界を語ってみる 2023/11/02」で触れて下さっている。
それを読んだとき、同作の核心を見事に言語化していて、正直に言って感嘆した。
特に舌を巻いたのは次の一節である。
「読者は、作中の翔太に深く同情しつつも、翔太の人生を歩みたいとは思わないはずだ。同じ生きるなら、むしろ社会的に成功を目指す海斗になりたいのではないか。僕らが海斗にならないのは、「人間性」豊かだからではなく、知恵と才覚と機会が足りないだけなのではないか。」
そうなのだ。
海斗とは、私であり、あなたなのだ。