月村了衛の月録

小説家 月村了衛の公式ブログ        連絡先 fidenco@hotmail.co.jp 

『謎の女中お眠さん』

「小説 野性時代」12月号(11月11日発売)に掲載されます。

山田風太郎賞特集ということで、短編を書き下ろしました。

 

かつてこれほど山風特集に相応しい作品があったであろうか。

(あったら全力でお詫びします)

山風愛ダダ漏れの『お眠さん』、どうかご堪能下さい。

トーク終了

池袋コミュニティ・カレッジ「現代ミステリー小説を問う」無事終了致しました。

ご来場の皆様、スタッフの皆様、そして杉江松恋さん、ありがとうございました。

皆様の温かいお言葉に励まされたひとときでした。

 

最初の方で、杉江さんから脚本と小説についてのご質問があり、そのとき何か言おうとして前振りをグダグダ話しているうちに、何を言おうとしていたのか忘れてしまうという、大変恥ずかしい一幕がありました。

先ほど思い出したので、今さらながら補足させて頂きます。

分かりやすく順に記しますと、

ご質問に対する私の回答は

「私はこれまで自分が手掛けたすべての作品に対し、誇りと自信を持っている。しかし脚本と小説とはまったくの別物なので、脚本家の経験が現在に影響していることは皆無である」

でして、そこまでは会場で発言しました。

言い損なったのがその後で、

「現代の小説は、意識するしないにかかわらず、映画をはじめとする他メデイアからの影響と無縁ではいられない。わかりやすい例で言えば、スティーヴン・キングは最初期から映画的手法を意識的に取り入れている。それにより、語り・表現技術の幅が広がった側面は確固としてある。キング以降の作家・作品は言わずもがなであり、ただ在るのは、現代がどういう時代であるか、またその時代と作品との関わりについて自覚的か否かの違いのみである」

という意味のことを言おうとしていたのでした。

こうして書いてみると改めて言うほどのことでもない、ごく当たり前な事のように思えてきて、いずれにしてもその場で言えなかった己のスッポ抜け具合に泣けて参りました。

 

追伸 小説という表現はこれだけ自由なのだ、

ということをもっと強調したかったなあ、と

ぼんやり想う帰り道でありました。

年内刊行予定

□11月10日『白日』発売。

書影が出ております。

装幀家の岡孝治さん入魂の写真が凄い。何百回(推定)も羽根を放り投げてちょうどいい具合に舞うのを待つという、想像を絶する忍耐の成果。私には到底できません。

ぜひ最寄りの書店でご予約を。

白日 月村 了衛:文芸書 | KADOKAWA

 

□11月10日『コルトM1847羽衣』文春文庫

週刊文春」連載作品。

暗黒時代小説だった『コルトM1851残月』とはまったく異なる、

正統派の伝奇時代小説です。

見返しには青井邦夫画伯による、M1847ウォーカーとM1851ネイビーの対比図も収録。

大きさの違いをぜひご確認ください。

 

□12月3日『機龍警察 暗黒市場』(上)(下)ハヤカワ文庫

「機龍警察」10周年記念、ハヤカワ文庫50周年記念というグランドクロスに、

心身を削ってなんとか間に合わせました(まだ再校ゲラのチェックが残っていますが)。

どうも私は、〈期間限定〉とか〈~周年記念〉とかに弱いようです。

ともあれ伝統あるハヤカワ文庫50周年の掉尾を飾れたことを光栄に思います。

 

いずれも私には大切な作品です。

皆様にご愛顧頂ければこれ以上の喜びはありません。

池袋コミュニティカレッジ

いよいよトークの日が迫って参りました。

10月31日,17:00~

オンラインでの参加は、池袋コミュニティカレッジ

トップページより申し込めます。

https://www.7cn.co.jp/7cn/culture/cc/

[サインができないため、リアルより参加費用がお安くなっています]

皆様のご来場をお待ちしております。

近況報告

□別名、深夜の現実逃避。

□『白日』、刊行迫る。取材等いろいろこなす。女性読者が多かったという具体的データがありほっとする。どうかお楽しみに。

□各種ゲラに追われる日々。よりよい作品を目指しひたすらにこなし続ける。それでも『暗黒市場』は精神的・体力的に相当消耗しました。限界です。

□『非弁護人』アサヒ芸能連載中。週刊誌はなぜか毎週締切りが来る不思議。

□『白骨街道』第六回入稿。出てくるだけで誰もがほっとする仁礼さん、安心の大活躍。そして安心する暇が一瞬たりともないミャンマーツアー御一行様。