月村了衛の月録

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緊急入院

[唐突な報告]

一週間以上にわたって緊急入院を余儀なくされていた私であったが、本日無事退院を果たした。

それはいいとして。

なにしろ緊急入院なので、用意は何もしていなかった。

ただ悪い予感がしたので、刊行時に買ったまま積んであった米澤穂信さんの『満願』だけを持っていった。

仕事の資料は常に持ち歩いてるが、万一入院となった際、

さすがに病室で資料を読む気にはならない。

一体何年積んでいるんだ、と仰る向きもあろうかと思うが、二十年、三十年積んでいる本などザラである(ワインの話ではない)。

この数年、ひたすら仕事の資料を読むことに追われ、趣味の本を読む時間がまったく取れないのが悩みの種でもあったのだ。

その意味で、柴田勝家公の提唱された「量子積ん読理論」はまさに天才の発想であると大いに感嘆したものである。

ともあれ、入院のための書類に細々と必要事項を記入する。職業欄には『小説家』と記したが、個人情報の問題から筆名は記さない。

ようやく病室に入り、テーブルの上に『満願』を置いてベッドに身を横たえていると、男性看護師がやってきて、『満願』を手にとって暫し表紙を眺めてから言った。

「これがお書きになった本ですか」

「違います」

 私は即答した。

「こんなとこで自分の書いた本を読む人はいないでしょう」

「そりゃそうですよね」

 と看護師は本を置いて去った。

 今私は少なからず後悔している。

 あのとき私はこう答えるべきであったのだ。

「いやあ、バレちゃいましたかハハハハハハ」

『東京輪舞』特設サイト

『東京輪舞』特設サイトが開設されました。

https://www.shogakukan.co.jp/pr/rondo

是非ご覧下さい。

 

私のインタビュー動画もございまして、

映像内に「現実が後ろから肩を叩く」
という例のフレーズが出て参りますが、本来はその後に
「と、いつも言っているのですが、今回は違って……」
と続くはずがカットされているので、
本当にいつも言っていることだけになっております。

当人としては少し恥ずかしいのですが、

そんなことを気にするのはおそらく当人だけでしょう。

つまり問題ないということですね……

『東京輪舞』見本到着

『東京輪舞』本日見本できあがりました。

皆様の御期待に添える出来かと存じます。

角栄「うむ、仕事の早いは実に結構。よっしゃよっしゃ」

 

発売日ですが、少し早まったようで、23日に取次搬入とのことですので、25日までには全国で販売される予定です。何卒よろしくお願い申し上げます。

プーチン閣下「ご苦労。大使館に連絡しておく。優秀な工作員が必ずや確保してくれることだろう」

 

帯の下に潜みし者

『東京輪舞』、AMAZONでも書影が出ました。

帯付きと帯なしの2バージョン。

帯も大変イイ感じに仕上がっておりますが、それを取ってみると、下にプーチンゴルバチョフが隠れているという趣向です。

英国での元スパイ暗殺未遂事件でお馴染みGRUも絶賛暗躍する『東京輪舞』、どうぞお楽しみに。

 

 

 

『東京輪舞』発売日

十月二十五日、搬入・発売。

地域によっては二十六~二十七日になるそうです。

 

また前掲の素晴らしい表紙画は、連載時から挿画を担当して下さった岡田成生さんに特にお願いしたものです。

一般に、連載開始時には担当編集から挿画担当画家の候補が何人か挙げられるのですが、岡田さんはその中の一人でした。

サイトを拝見して芹明日香特集上映などのチラシを見て感動、「ぜひこの人に」とお願いしました。