現在〈謎の女中お眠さん〉シリーズ第三作を執筆中なのですが、
山田風太郎の各種資料を確認しているうち、東京医科大学の卒業証書の写真を見つけました。
学長は緒方知三郎で、初代東京医科大学学長にして、若き医学生であった山田風太郎を大いに感服せしめた人物でもあります。
医者で「緒方」という名が示す通り、知三郎は緒方洪庵の孫に当たります。
声優の緒方恵美さんが緒方家の分家筋であることは以前に御本人から聞いていたのですが、こういうところで繋がってくるとは、縁(えにし)というものを感じずにはいられません。
また講談社で山田風太郎の担当であった原田裕さんのお話(「別冊太陽 山田風太郎」より)によると、原田さんが文芸課長時代に『妖異金瓶梅』を担当したのが新井亨さんで、この人は東大時代に星新一と同級で、さらにその御嬢様が新井素子さんであるとのこと。
ただただ驚くばかりです。
さらに。
原田さんは日本推理作家協会の物故会員で、2018年に亡くなっておられますが、
つまりこの方がいらっしゃらなければ、日下三蔵さんの企画による「ふしぎ文学館」もなかったかもしれないわけで、いろいろと感慨深いものがあります。
こうして感慨に耽っていて、肝心の仕事が一向にはかどらないというオチ。