月村了衛の月録

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大下宇陀児

最近大下宇陀児が一部界隈で話題となっているのは実に欣快の至りである。

思い起こせばこのブログを始めて間もない2010年10月3日、「大下宇陀児邸」と題する文を草した。

最近、大下宇陀児雑司ヶ谷に住んでいたことを新たに知り、またも驚く。何を隠そう、私が三十代の頃住んでいたのも雑司ヶ谷であったからだ。まったく個人的な感慨ではあるが、思わぬ奇縁を感じた次第。

 

戦後の推理文壇で有名な論争については知っていたが、顧みると、現在の自分の考えが大下宇陀児に近いことに気づき、改めて感じ入る。(私はパズラーも大好きであるが)

 

さらに幼年期の記憶を探れば、父は戦後ラジオの人気番組であった『二十の扉』を聴いていたらしく、寝る前にそのゲームをやってくれたことをこの歳になって思い出した。

大下宇陀児がその番組のレギュラーであったことは、はるか後年まで知らなかった。

 

創元推理文庫からこのたび発売された『偽悪病患者』は予約して購入。続く『烙印』も予約済みである。