月村了衛の月録

小説家 月村了衛の公式ブログ        連絡先 fidenco@hotmail.co.jp 

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

一期一会 山田風太郎先生の思い出(五)

(承前) 紙幅の都合で当然ながら全部は誌上に収録されていないが、このインタビューでは本当にいろんなお話を伺った。 聞き手の馬鹿学生(私です)は勝手なもので、 「現在手に入らないものも結構あるんですよね、『外道』とか『飛騨』とか古本屋をまわっても全…

一期一会 山田風太郎先生の思い出(四)

(承前) かくしてインタビューは始まった。 先生のお話はとても明確で分かりやすく、大変に興味深いものばかりであった。実は私には、インタビューに臨んで心に期する処が一つあった。 それは、かのについてである。 数ある忍法帖の中でも最高傑作と言える『…

一期一会 山田風太郎先生の思い出(三)

(承前) 先生の七三分けの御髪には見事な寝グセがあり、太縁のメガネは完成されたコントのような絶妙の角度でズレていた。およそすべてが芸術としか言いようがない。天下の山風としてもうまったくスキのないお姿であった。 しかし。 不世出の天才、巨匠、芸…

一期一会 山田風太郎先生の思い出(二)

(承前) 何しろこちらは入学一ヶ月の身で、最も尊敬する作家に会えるのである。 思いもよらぬ僥倖であった。 (その後私は今日に至るまでに各界の錚々たる名士の知遇を得てきたが、最初に会ったのが大風太郎であったため、誰に会ってもさほどの感銘を受けな…

一期一会 山田風太郎先生の思い出(一)

もう三十年近くも前、早稲田の新入生であった私は、入学式の直後より御多分にもれずあちこちのサークルを覗いて回っていた。 その中の一つが「幻想文学会」であった。が、私は勧誘受付にあったノートの新人紹介欄に住所と好きな作家についての駄文を記しただ…

『機忍兵 零牙』

早川書房より九月二十五日発売予定。 ゴシックな異世界を舞台にした物語です。忍法帖>という様式に徹底してこだわりました。 そのこだわりを生かさんがための私のがという技です。 お楽しみいただければ幸いです。

新刊

九月末に早川書房より発売の予定。 発売日等が決まり次第、改めてご報告いたします。 その作業と並行して『機龍警察PARTⅡ』の執筆も進めています。 どちらも宜しくお願い申し上げます。