月村了衛の月録

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戦中派不戦日記

必要があって山田風太郎の『戦中派不戦日記』を読み返しているのだが、

冒頭に近い一月三日の記述に菊池寛について評した部分がある。

「一般にいわれるほど価値なき作家にあらず。むしろ、芥川の小説よりも妖気あり。芥川の皮肉には涙あり、寛の皮肉には滑稽あり、妖気はここより発す。これ彼の人柄より出ずるものならん」

と記されており、いきなり恐るべき慧眼に接して風太郎の凄みに改めて畏怖を覚える。

早川書房にて

本日一階クリスティに柴田勝家公来店。

担当編集のアップした写真では見切れているが、

天井部に私が貼り付いておった事を勝家公は御存知であろうか。

編集との密談、しかと承った。

たとえ変装していても我が目を欺くなど叶わぬものと心得られよ。

因みに『アメリカン・ブッダ』は購入済みである。

抜かりはない。

池袋コミュニティカレッジ

コロナのため伸び伸びとなっておりましたトークショーの開催予定日が

ようやく決まったようです。

杉江松恋さんの司会でミステリについて語ります。

他にもあれこれ語るつもりです。

杉江さんとなら十時間くらいほしいですね。

 

日本推理作家協会賞受賞者が語るシリーズの二回目で、第一回の葉真中顕さんは

コロナ前だったのですでに済んでおります。

まさかこんなに間があいてしまうとは……

 

今回はオンラインでの参加も検討されているようなので、

興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。

https://cul.7cn.co.jp/programs/program_916075.html

猛暑の候

長い梅雨が明けた途端、一転しての猛暑と相成りましたが

皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

 

ここに来て年末から来年の打ち合わせが集中し、大変な日々を送っております。

『狼眼殺手』の如く、梅雨が明けた途端ミャンマー出張の羽目となった『白骨街道』の突入班さながらでございます。

 

『白日』は無事最終回を迎えましたが、『非弁護人』『白骨街道』など従前の仕事は継続して全力で取り組んでおります。

昨日『白骨街道』第五回初稿脱稿致しました。

 

城木はん、行ったらあきまへん……そっちはもう地獄どす……二度と帰られしまへんえ…………

『文豪春秋』

ドリヤス工場・著。文藝春秋刊。

予想以上に面白かった。

著者を初めて知ったとき、あまりの水木タッチに「いいのか?」と思ったことを覚えている。水木プロのアシスタント出身者よりも、なんなら晩年の水木先生御本人よりも水木タッチを再現しているところがポイント。

ことに本作は、現代的なオチが毎回付いていて、これが絶妙。

作者にとっても大きな鉱脈だと思うので、ぜひシリーズを続けて欲しい。

 

ここでワタクシの近況など。

□四十肩で死にそう。

□『白骨街道』第五回執筆中。いろいろ死にそう。ああ、姿……

□余計な見栄を張ってしまいました。本当は五十肩です。謝罪して訂正します。