月村了衛の月録

小説家 月村了衛の公式ブログ        連絡先 fidenco@hotmail.co.jp 

池袋コミュニティ・カレッジ トーク

2020.2.29(土)午後四時から、池袋コミュニティ・カレッジにて杉江松恋さんとトークを致します。

概容は以下の通りです。

『ミステリー評論家 杉江松恋が「日本推理作家協会賞受賞作家」を迎え、現代ミステリー小説の魅力を語る3回シリーズ。作家たちの創作の原点、現場のお話を交え、その素顔に迫ります。』

https://cul.7cn.co.jp/programs/program_879582.html

 (私は全3回のうちの1回に登壇)

 

私自身が今から楽しみにしております。

奮ってご参加下さい。

 

『機龍警察 白骨街道』

     別名 靖国街道

     アウンサンスーチー

     世界で最も迫害されている民

     アラカンロヒンギャ救世軍

     一帯一路

     中国ミャンマー経済回廊

     969運動

     国家主義仏教団体マバタ

     ジェノサイドの密林

     そして――インパール作戦の亡霊が列を成す

 

 

    『機龍警察 白骨街道』

 

  ミステリマガジン三月号(2020.1.25発売)より連載開始

 

 

 

 

『白日』

ITテクノロジーを駆使した通信制高校を新たに開校し、学校教育事業への大々的参入を図る大出版社。

そのプロジェクトリーダーの息子が墜死を遂げた。

事故なのか自殺なのかも判然としない少年の死が、陰湿な派閥抗争に揺れる社内に大いなる衝撃をもたらす――

 

KADOKAWAの電子雑誌「カドブンノベル」1月号(12月10日発売予定・毎月10日発売)より新連載スタート。

 
「カドブンノベル」のページはこちらです。
https://kadobun.jp/novel/new-magazine.html

『葛藤する刑事たち』

村上貴史・編 警察小説アンソロジー『葛藤する刑事たち』(朝日文庫/11月7日発売)

に、拙作『機龍警察 焼相』が収録されております。

 

このアンソロジー、収録作家が途轍もなく豪華!

まあ、下のサイトでメンバーをちょいと見てみて下さい。

https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21494

この面子の中に並べて頂けるのは光栄と申すよりありません。

 

それにしても、拙短篇集『機龍警察 火宅』からの各種アンソロジー採用率は異様に高くて我ながら驚くばかりです。

 

逢坂剛さんとの対談にて

昨夜のトークショーでは、逢坂剛さんからいろいろお話を伺えて学ぶところ大であった。

その中で、リメイク西部劇の話になったとき、逢坂さんが

「そう言えば『シェーン』はどうしてリメイクされないんだろう」と仰って、私は「シンプルすぎるからじゃないでしょうか」とだけ答えた。

今ふとそのことを思い起こし、改めて思ったのだが、現在の観客は〈王道を低く見ている〉のだと思う。作り手側にも無用なてらいが生じて王道ができなくなっている。

王道とはすなわち正統である。

シェーンは(表面的に描かれてはいないが)複雑な背景を持ったキャラクターだ。そして同時に、どこまでも〈子供を守るヒーロー〉である。

かつての観客は、表層の英雄譚を楽しみながら、物語の背後に隠されたものを無意識的に感得していたのではないか。

現在はそうした最低限の文化的共通認識が失われた時代であるというのが私の持論である。

表層しか見えない者にとって、『シェーン』とは勧善懲悪の単純極まりない物語でしかない。

この単純さが鍵だ。

深刻ぶったり、複雑さのみを求めるのは実は容易い。

単純な構造であればあるほど、ある種のテーマは力強さを帯び、訴求力を高める。

私はこれまで、〈少年を守るヒーロー〉の物語を何度か書いた。

例えば、『機忍兵零牙』だ。

これは、大人のための物語である。〈少年を守るヒーロー〉の大切さを知るのは大人である。子供はそういうヒーローを嫌う。私も子供の頃はそうだった。

私は『機忍兵零牙』を誇りに思っている。

差別され、蔑まれる人達を冷笑する現実への怒りを込めてこれを描いた。その衝動を私が忘れたとき、それは私が作家を名乗る資格を失うときだと考えている。

現実に喘ぎながら生きる大人の読者に愉しんで頂きたいと願う。

トークショー終了・その他

東京堂書店での逢坂剛さんとのトークショー、本日無事終了致しました。

ご来場下さった皆様方に深く御礼申し上げます。

一夕のお楽しみとなりましたならば幸いです。

 

・現在発売中の週刊新潮(11月7日号)、「マイオンリー」欄に寄稿しているのですが、私の駄文はさておき、

巻末のグラビアページで、先日湊かなえさんと訪れたばかりの安達太良山くろがね小屋が採り上げられているのに気づいて驚きました。

たまたま寄稿した号にこの巡り合わせ!

我々が泊まったときは、ここまでの紅葉ではなかったのが残念です。

詳しくは12月15日発売の「山と渓谷」をご覧下さい。