早川書房から青少年の興奮するらしい暑中見舞いが届きました。
私は少年ではありませんが青年ですので興奮しました。
猛暑お見舞い申し上げます
・とんでもない猛暑が続いております。
皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
昨日眼科に行ってきたのですが、連日の疲労のせいか、
よりによって視野検査の真っ最中に意識が飛んでしまいました。
結果にはあまり影響はなかったようですが、いろんな意味で危険を感じる今日この頃です。
・おかげさまで「週刊ポスト」に一年以上にわたって連載して参りました『東京輪舞』最終回
無事脱稿致しました。
これから単行本作業に入りますので、連載中よりも厳しいスケジュールとなります。
また「週刊新潮」連載中の『欺す衆生』もいよいよクライマックスに突入です。
最後まで全力を尽くすべく日夜執筆に励んでおります。
どうか御期待下さい。
また併行して新連載の構想を早急に数本まとめねばなりませんので、
いろんな意味で危険を感じる今日この頃です(二回目)。
・今月七日に『機龍警察 火宅』の文庫が刊行されます。
なぜ『火宅』かと申しますと、各短篇の掲載時、アンソロジーへの収録時、単行本化の際に
そのつどゲラをチェックしておりますので、比較的時間をかけずに文庫化が可能であった、
というのが理由です。
逆に申しますと、書き下ろしである『暗黒市場』『未亡旅団』文庫化のためには
一作につき最低でも三週間は必要で、現在の私の状況からすると
それだけのまとまった時間を取ることは到底不可能です。
この状況は来年以降も変わりませんので、
ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
日本推理作家協会 書評・評論募集 最終締切迫る
日本推理作家協会創立七十周年記念事業の一環として開始された書評・評論募集も、
いよいよ最後の締切が近づいて参りました。
最後の締切は六月末です。
今回は常連の方から思わぬ方まで、いろんな方から力作が寄せられております。
まだ間に合いますので、ミステリに関し一家言お持ちの方は是非ご参加ください。
男達のバラード
去る五月二十八日、日本推理作家協会賞贈賞式が行われ、私も出席致しました。
受賞者の皆様、改めましておめでとうございます。
さて、二次会会場に赴いた私は案内された席に座ったのですが、
背後のスペースはかなり高くなっており、濛々と紫煙が漂っております。
どうやら喫煙スペースのようで、ダークスーツを着た男達が三、四人くらいで
立ったまま無言で煙草を吸っておられます。
薄暗い照明だったのですが、よく見るとKADOKAWAの遠藤さん(文芸・ノンフィクション局の偉い人)の顔が見えたので、同社の編集者の皆様であったのでしょう。
私の位置から見ると、アオりの逆光、しかもスモークが焚かれたような効果があって、
大変にキマっております。
よせばいいのに、私は振り返って申しました。
「そっちのスペースだけ空気が『孤狼の血』みたいですねー」
すると中の誰かがすかさず
「それは遠藤さんだけです!」
遠藤さんは一瞬ニヒルな笑みを浮かべ、ただ黙々と煙草をふかしておられました。
それにしても――
人は何故、原稿の締切が切迫してくると
かくも無用なる文章を草してしまうものであろうか。